コインの商品名や鑑定ラベルにある「ULTRA CAMEO」という言葉。
ウルトラカメオは、NGCがプルーフコインの背景と図柄の強いコントラストを示すために使う表記です。
鏡のような背景に、つや消しの肖像や紋章が浮かび上がる。その仕上がりの特徴を伝えています。
ここでは、ウルトラカメオの意味、PF70との関係、PCGSのディープカメオとの違い、価値との関係をご紹介します。

左から、2022年 ライオン・オブ・イングランド2ポンド、2021年 ウナとライオン、1998年 ブリタニア50ペンス。
ウルトラカメオは、何を表している?
プルーフコインは、主に収集用として特別な工程で作られたコインです。
代表的な仕上げでは、背景を鏡のように、盛り上がった図柄をつや消しにすることで、見た目の違いを生み出しています。このつや消しの質感は「フロスト」とも呼ばれます。
NGCのウルトラカメオは、コインの表裏の両面で、反射の鮮明な鏡面の背景と、強いつや消しの図柄が、はっきりとしたコントラストを見せていることを表します。
肖像の横顔や衣服のひだ、細やかな紋章。背景との対比によって、そうした造形がくっきりと感じられるのが魅力です。
プルーフコインの作り方や通常貨との違い、価値の見方は、こちらでご紹介しています。
PF70とウルトラカメオは、どう違う?
「PF70 ULTRA CAMEO」と並んでいると、一つの評価のように見えるかもしれません。それぞれが伝えている内容は、次のように分かれます。
- PF:プルーフコインであること
- 70:コインの状態に付けられた最高グレード
- ULTRA CAMEO:背景と図柄の強いコントラスト

「PF70」はプルーフコインの状態の評価、「ULTRA CAMEO」は背景と図柄の強いコントラストを表します。
数字のグレードは状態の評価、ウルトラカメオは仕上がりの特徴を伝えています。
そのため、「PF69 ULTRA CAMEO」という組み合わせもあります。ウルトラカメオの表記が付くことと、70の評価が付くことは、それぞれ別に読み取れます。
日本語の商品説明では「ウルトラカメオ」、鑑定ラベルでは「ULTRA CAMEO」と書かれていることがありますが、指している表記は同じです。
70の評価基準や、コインの価値との関係は、こちらにまとめています。
カメオやディープカメオとの違いは?
カメオとの違い
NGCの「CAMEO(カメオ)」も、鏡面の背景とつや消しの図柄のコントラストを表します。
ウルトラカメオは、それよりも強いコントラストを示す表記です。どちらも数字のグレードとは別に、仕上がりの特徴を伝えています。
ディープカメオとの違い
PCGSでは、近い意味の表記として「Deep Cameo(ディープカメオ)」が使われます。ラベルでは「DCAM」と略されることもあります。
例えば「PR69DCAM」なら、PRがプルーフ、69が状態のグレード、DCAMがディープカメオを表します。
NGCとPCGSでは、それぞれの基準に沿って判定されます。ウルトラカメオとディープカメオは、どちらもプルーフコインの鮮明な対比を伝える表記ですが、両社の判定が必ず一致するという意味ではありません。
PCGSの役割や鑑定ラベルの読み方、NGCとの違いは、こちらでご紹介しています。
ウルトラカメオは、価格にも関係する?
背景と図柄のコントラストが評価され、価格差につながる場合があります。
同じ種類・年号・数値グレードでも、カメオの程度によって評価が分かれることがあります。
その影響はコインによって異なり、ウルトラカメオという表記だけで、一律に価格が決まるものではありません。素材や状態、希少性、需要なども関わります。
価格や鑑定評価とあわせて、「この肖像の表情が好き」「この紋章の細かさに惹かれる」と感じる部分も、一枚を選ぶ楽しみになります。
手元で眺める、鏡面と図柄のコントラスト
ウルトラカメオの魅力は、鏡面の背景と、つや消しの図柄が見せる鮮明な対比です。
写真では背景が黒く見えることもありますが、背景そのものが黒いわけではなく、周囲の光を映しています。

馬や衣服の細かな造形を、鏡面の背景が引き立てています。
手元で少し角度を変えると、背景に映る光が変わり、肖像や紋章の印象も変わります。衣服のひだや小さな文字など、細部をゆっくり眺める時間も楽しめます。
写真で惹かれた図柄を、自分の好きな角度や光の中で眺める。それも、その一枚を手元に置く楽しみです。
ラベルから、図柄の美しさへ
「ULTRA CAMEO」の意味がわかると、ラベルの言葉と、目の前のコインの仕上がりがつながります。
鏡面の背景に浮かぶ横顔や、小さく刻まれた文字。好きな図柄をもう少し近くで眺めると、気になる細部が見つかることもあります。
FALJU COINSのコレクションでは、各コインの写真や鑑定評価に加え、図柄の見どころや歴史的背景もご紹介しています。
手のひらに収まる、歴史と芸術。
Art and history, held in your hands.
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