
左にダイアナ、右にエリザベス2世の肖像。コインの両面と、鑑定情報が記されたケースをご覧いただけます。
コインの商品名や、透明なケースのラベルにある「PCGS」。その下に並ぶ英語や数字は、何を伝えているのでしょうか。
PCGSは、コインが本物かどうかや、保存状態を確認する第三者鑑定会社です。
正式名称は、Professional Coin Grading Service。
1986年に米国で設立されました。
この記事では、ダイアナ追悼銀貨の写真を見ながら、PCGSのラベルを読み解いていきます。
PCGSは、コインの何を確認する?
PCGSは、売る人・買う人とは別の立場で、コインの真贋や状態を確認します。
本物かどうかを調べることが「真贋判定」。図柄のすり減り方や傷、模様の鮮明さなどを見て、状態を評価することが「グレーディング」です。
通常の数値評価には1〜70の尺度を使い、70を最高グレードとしています。傷や洗浄跡などの問題があるコインには、別の表記が使われる場合もあります。
鑑定・封入の対象となったコインは、情報を記したラベルとともに、専用の保護ケースへ。このケースは「ホルダー」や「スラブ」と呼ばれます。
ダイアナ銀貨のラベルを読んでみよう
写真は、1999年に英国で発行されたダイアナ追悼5ポンド銀貨です。
上部のラベルには、発行年や額面、コインの種類、鑑定評価などが記されています。

上部のラベルに発行年や額面、PR69DCAMの鑑定評価、鑑定番号が記されています。
年号・国名・額面
「1999」は発行年、「Great Britain」は英国を表します。
右上にある「£5」は、額面が5ポンドという意味です。ここから、1999年に英国で発行された5ポンドのコインだとわかります。
コインに刻まれた「1961」「1997」はダイアナの生年と没年。ラベルの発行年と見比べると、それぞれの数字の意味が整理できます。
PR69DCAM
中央にある「PR69DCAM」は、3つに分けて読めます。
PRは、特別な方法で作られたプルーフコインを表す記号。
69は、その一枚の状態に付けられたグレードです。
DCAMは「ディープカメオ」の略。鏡のような背景と、つやを抑えた浮き彫りの図柄との間に、強い明暗の対比があることを示します。
つまり、作られ方、状態の評価、見た目の特徴が、一つの表記にまとめられています。
ラベルを読んでから写真を見ると、ダイアナの横顔や髪の表現、背景との対比にも目が向くかもしれません。
鑑定番号
ラベルの下部には、次の数字が記されています。
389501.69/83877062
このコインの鑑定番号は、「/」の後ろにある8桁の「83877062」です。
長い数字の列をすべて入力するのではなく、照合に使う番号を取り出して確認します。
ホルダーの反対側には何がある?
同じダイアナ銀貨の反対側を見ると、コインにはエリザベス2世の肖像が描かれています。
ホルダー上部には、PCGSのロゴ、QRコード、光の角度で色が変わるホログラムも見えます。

エリザベス2世の肖像と、ホルダー上部のPCGSロゴ・QRコード・ホログラムが見えます。
鑑定評価が書かれた側とは、印象が少し違いますね。
コインの表裏とともに、ケース自体の両面も見ておくと、全体の作りがわかります。
PCGSのラベルには、いくつか種類がある?
PCGSのラベルやホルダーは、時代とともに変更されてきました。
文字の形や情報の配置、ホログラムなどにも違いがあります。
また、記念のデザインや特別な図柄を使ったラベルも用意されています。
今回のダイアナと、1987年のアメリカン・シルバーイーグルを見比べると、どちらも青系のラベルですが、年号やコイン名の位置が異なります。

ダイアナ銀貨とは年号やコイン名の配置が異なるラベルの例です(FALJU COINS過去取扱品・販売済み)
ダイアナは左上に「1999」、イーグルは中央に「1987」。
同じ場所を探すより、「年号」「評価」「鑑定番号」と情報を分けて見ると読みやすくなります。
ラベルのデザインとコインのグレードは、別々に確認できる情報です。色や配置が違うときも、まずは書かれている内容に目を向けてみてください。
鑑定番号から確認できること
PCGSの公式サイトでは、鑑定番号を使って登録情報を調べることができます。
入力欄の「Cert Number」や「Cert #」は鑑定番号、「Verify」は確認するという意味です。
ダイアナ銀貨の場合は「83877062」を入力します。
結果が表示されたら、年号や額面、コインの種類、グレードをラベルと見比べます。登録画像がある場合は、現物や商品写真との照合にも役立ちます。
PCGSは、実在する鑑定番号を使った偽造ラベルにも注意を促しています。番号が登録されていることに加え、情報や画像が合っているかまで見ることが大切です。
迷う部分があれば、販売店に尋ねながら確認する方法もあります。
NGCとは、どこが違う?
NGCも、PCGSと同じくコインの真贋や状態を確認する鑑定会社です。
ラベルを読む際に知っておきたい違いは、プルーフコインの表記。PCGSは「PR」、NGCは「PF」を使います。
また、プルーフコインの図柄と背景の強い対比を示す表記には、PCGSの「Deep Cameo/DCAM」と、NGCの「Ultra Cameo」があります。
似た特徴を伝える言葉ですが、判定はそれぞれの会社の基準に沿って行われます。
会社ごとの表記を知ると、商品名にある英語や数字も読みやすくなります。
鑑定済みコインの保証について
PCGSには、定められた条件のもとで、真贋や鑑定評価の正確性に対応する保証制度があります。
利用には再確認などの手続きがあり、ケースから取り出されたコインや、鑑定後に環境の影響で状態が変わったコインなどには適用上の制限があります。
購入した販売店の保証とは別の制度なので、気になる場合は、それぞれの条件を確認すると整理しやすくなります。
ラベルから、その一枚を知る
初めは難しく見えるラベルも、年号、名前、評価、鑑定番号と分けると、少しずつ読めるようになります。
そこから、コインの図柄にも目を向けてみてください。肖像の表情や細かな髪の流れ、光を受けた背景の輝き。鑑定情報と実物を見比べることも、コインを楽しむきっかけになります。
FALJU COINSのコレクションでは、各コインの写真や鑑定評価に加え、図柄の見どころや歴史的背景もご紹介しています。
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