
聖ジョージと竜の細やかな造形と、鏡のような背景が引き立て合うプルーフ仕上げ。
プルーフコインとは、主に収集用として、特別な工程で作られたコインのことです。
代表的な特徴は、鏡のように光を映す背景と、細部までくっきりと表された図柄。
小さなコインの中に、肖像の表情や衣服のひだまで丁寧に刻まれています。
商品名で見かける「プルーフ」は、そのコインがどのように作られたかを知る手がかりです。
ここでは、通常貨との違いや仕上げの特徴、価値との関係をご紹介します。
通常のコインと、何が違う?
日々の支払いに使う通常貨は、広く流通させるために作られています。
一方、プルーフコインは、主に収集して楽しむために作られるものです。
図柄を刻む金型や、コインになる金属の板を丁寧に整え、特別な工程で模様を打ち出します。
複数回にわたって打刻するなど、細かな部分まで表すための手間がかけられています。
同じ図柄でも、仕上げが違うと印象は変わります。
背景の光沢や、浮き上がるように見える模様も、プルーフコインを眺める楽しみです。

コインの図柄と、年号や鑑定評価が記されたラベルをご覧いただけます。
日本にもプルーフ貨幣がある
日本の造幣局でも、プルーフ貨幣を製造しています。
造幣局の説明では、入念に磨いた金型を使い、模様を深く鮮明にするために二回打ちするなどの工程が採られています。
1円から500円までの貨幣を収めたプルーフ貨幣セットもあり、プルーフは海外の金貨や銀貨だけに使われる仕上げではありません。
鏡のような背景と、繊細な図柄
一般的なプルーフコインでは、背景を鏡のように仕上げ、盛り上がった図柄をつや消しにすることで、両者の違いを際立たせています。
背景が光を映す一方で、人物や紋章が浮かび上がる。
その表情に惹かれて、プルーフコインを好きになる方もいるでしょう。
ただ、プルーフにもさまざまな仕上げがあります。
例えば「リバースプルーフ」は、背景をつや消しにし、図柄を鏡面にしたものです。
プルーフコインの魅力は、一種類の輝きに限らず、光沢や模様の見せ方にもあります。
プルーフは、作り方を表す言葉
美しい仕上がりを見ると、「プルーフ」は状態のよさを表す言葉にも感じられるかもしれません。
ここまでご紹介したプルーフは、特別な工程で作られたことを表しています。
その一枚に傷やすり減りがあるかどうかは、別に確認するポイントです。
例えば、鑑定でいう「未使用」は、すり減った跡が認められない状態のこと。
未使用と評価されたコインにも、製造時や取り扱いの際に付いた傷がある場合があります。
プルーフコインも、作られた後の取り扱いや保管によって状態が変わります。
鑑定済みのコインでは、次にご紹介するラベルから、作り方と状態の評価を読み取れます。
PF・PRや、数字は何を表す?
鑑定済みのプルーフコインでは、ケースのラベルに「PF」や「PR」と書かれていることがあります。

ラベルの「PF」はプルーフ、「70」はコインの状態に付けられた最高評価を表します。
代表的な鑑定会社では、NGCが「PF」、PCGSが「PR」という表記を使います。
その後ろの数字は、コインの状態を表すグレードです。
例えばNGCの「PF70」は、プルーフコインに状態の最高評価である70が付いている、という意味です。
プルーフという作り方と、その一枚に付いた鑑定評価。
それぞれの意味がわかると、ラベルから読み取れることが増えていきます。
また、「ULTRA CAMEO(ウルトラカメオ)」は、NGCがプルーフコインの背景と図柄の強いコントラストを表すために使う表記です。
数字とは別に、仕上がりの特徴を伝えています。
プルーフコインの価値は、何で決まる?
特別な工程で作られるプルーフコインですが、価格は仕上げだけでは決まりません。
素材、発行枚数、残っている状態、そのコインを求める人の多さなどによって、一枚ごとの評価は変わります。
また、造幣局で販売されたときの価格と、後に売買される価格が同じになるとは限りません。
プルーフという言葉は、まず作り方や仕上げを知るためのもの。
価値を考えるときは、そのコインの種類や状態にも目を向けてみてください。
好きな図柄を、仕上げから楽しむ
人物の横顔、風になびく衣服、細く刻まれた文字。
好きなデザインを、もう少し近くで眺めてみる。
そんな楽しみ方にも、プルーフコインはよく似合います。
「この図柄が好き」「この輝きがきれい」。
そこから気になる一枚を見つけるのも、収集の楽しみの一つです。
FALJU COINSのコレクションでは、各コインの写真や鑑定評価に加え、図柄の見どころや歴史的背景もご紹介しています。
手のひらに収まる、歴史と芸術。
Art and history, held in your hands.
FALJU COINS
Curated in Tokyo